そのよし、心得申して候う
宮城県登米市 『森舞台』薪能 (たきぎのう)へ。
奈良時代以前日本がまた大和の国だった頃、平和と豊作を願ってカミに捧げた祈りこそが、能 の ルーツ。
登米謡曲会、全員での式三番、謡(うたい)に始まりスーっと、その世界観に吸い込まれる。歌舞伎のような舞台装置はほとんどない。
そこに何を見るかは、観る人の想像に委ねられる。隈研吾さんがしつらえた森舞台 がまた素晴らしい。その名もふさわしく、緑が美しい竹の林の中に、観客席は近代的要素を取り入れつつ、舞台は昔からそこにあったような、いにしえの歴史を感じさせる。正面奥の鏡板には日本画家千住博の老松と若竹が生える。
17時、開演夕暮れどきの鳥の鳴き声風のおと、竹のゆらめき、秋の虫の声、そして、薪の燃える音、匂い、炎。演者たちの想い。その全てを受けとれるか、ミテ 観客たちも、試される。
『能は余白の文化です。あえて何もない空間を作り、ここに何が見えますか?と、観客に問います。どう解釈してもいい。そのとき感じたものを見てほしいのです。』
ノジュール9月号より転載
政宗公は能楽史上に大きな影響を与えるほど能を愛したそうだ。伊達一門第五席、登米伊達家 が誇る登米能こんなに素晴らしい文化、歴史が、おらほの宮城、登米に存在することを体感した秋の夜長。興奮覚めやらぬ。
~ その由、心得申して候う ~
ご参加有難うございました。 たびのお友 酒井ようすけ